銭湯レビュー(豊島区新月湯)
とうとう、代表は新月湯に行きました!
豊島区新月湯は、かねてより訪れてみたかった銭湯の代表格であった。
銭湯ライターの佐藤明俊さんを始め、多くの銭湯ライカ―(Liker)から薦められてきていた。
東武東上線北池袋駅近にある、銭湯は小さな商店街のある閑静な住宅街にあった。
伝統的な趣深い造りで番台がある。
私が薦められた時に聞いていた話では、静寂が最大の特徴であり、佐藤さんの表現を引用すると「寡黙な武士」のような銭湯だという。
静かで心安らぐ水音に耳を傾けながら、時折響く脱衣場にある柱時計の鐘の音が、何とも言えず風情を感じさせる。心の贅沢として、日常の喧騒から離れ、無に触れることが体感できる。過去には立派なペンキ絵があったであろう青塗の壁に思いをはせながら、その下に残る所々擦り切れた鯉のタイル絵が年月を感じさせてくれる。
個人的な都合から滞在時間は長くはなかったが、今一度、機会をつくり、この銭湯を目当てに足を延ばしてみたいと思っている。
口コミと言われてしまえば軽くなるが、人伝いに聞いた銭湯はたくさんあり、未だに行けていない銭湯はまだまだある。
私は銭湯を楽しむという基本的なことを再認識させられ、どのように人に伝えていくのかに頭を悩ませるだけでなく、自分自身も楽しみながらやっていきたいと思っていた。