学習院大学銭湯愛好会!

学習院大学を拠点とする銭湯を愛する大学生のサークルです。

銭湯レポート(湯どんぶり栄湯)

湯どんぶり栄湯

基本情報

住所 台東区日本堤1-4-5

最寄り駅 三ノ輪駅 南千住駅 それぞれ徒歩11分

オーナー 梅田清治郎

定休日 水

営業時間 14時~24時

電話番号 03-3875-2885

サービス 無料リンスインシャンプーとボディソープあり

 

テーマ

<クリーンエネルギーで快適且つどんぶる銭湯>

湯どんぶり栄湯(以下、栄湯)の特徴を紹介する際に、何から紹介するべきかと考え、まずその設備と規模と質の高さを私は紹介し読者の方が興味を持ってもらいたいと思う。

設備としては、今年5月15日にリニューアルオープンし、天然温泉・超軟水・多種多様な湯舟・岩塩サウナ・マッサージブースが主たるもので、それぞれオーナー夫妻の思い入れが反映された内容であり、個別に取り上げていきたい。

 

天然温泉は栄湯の魅力の一部分としてHPにも大々的に掲げられるほどの要素であるが、これにはやはり日本人が温泉という文字に弱いということが考えられる。東京都内で温泉が出ることは珍しいことではないが、栄湯の温泉は何と言っても上質で不純物の少ないアルカリ泉質で主成分としてメタケイ酸系物質による美肌の湯である。

 

超軟水は軟水器を使用し、水の中に含まれている不純物としてのカルシウムイオンやマグネシウムイオンを取り除き、ナトリウムイオンと交換することで、肌触りの良いお湯となり、保湿効果や保温効果、シャンプー等の泡立ちの良さ等、良いことばかりだが、栄湯は超軟水と天然温泉が組み合わさった稀有な銭湯で、通常、軟水化してしまうと温泉の有効成分も不純物として取り除いてしまうのだが、栄湯はメタケイ酸系泉質のため、陽イオンを交換する作用で取り除かれることがないという特徴があるため、相反する温泉と軟水が並存している。

 

多種多様な湯舟については、栄湯のネーミングの「湯どんぶり」という部分に関わってくる。栄湯には、全部で7種類(さらに細かく機能で分けると8種類以上)ある湯舟が、丼物に数多く種類があることと似ているということから、「湯どんぶり」という名前が決まったという。露天風呂(ナノファインバブル)・壺風呂・岩風呂(薬湯)・水風呂・バイブラ・座湯・寝湯・電気湯という種類の豊富さは、面積的広さが無ければ叶うことができず、オーナー曰く、露天風呂のスペースは偶然銭湯の敷地の裏を売ってもらえたことから確保することができたという。ちなみに、前々からその土地を狙っており、手に入ったら露天風呂にするという考えは持っていたようだ。

 

そして、岩塩サウナは、銭湯のサウナとしてはとても立派でヒマラヤ岩塩を使用したことで、しっとりとじっくりと汗をかき、血行を促進するだけでなく、呼吸器系の疾患にも効果(気管支の拡張等)があるらしく、喘息持ち等であれば是非とも利用したいところであり、また、サウナの利用料金は200円と比較的安価である。最近になり、オーナー夫妻が岩塩サウナの有効性を再確認し、また一つ栄湯の特色が増えたと話していただいた。

 

マッサージブースが併設されている銭湯は、なかなか見ることができないと私は考えている。銭湯ではマッサージチェアを設置していることは多いが、マッサージを銭湯で行ってもらえるということは、湯上りで体がやわらかなうちに芯からほぐしてもらえるということであり、日常生活として銭湯を利用しながら、たまのご褒美に利用していくお客様も多いのではないだろうかと思いつつ、私も利用してみたいと常々思っている。

 

ここまで、銭湯の設備を中心に栄湯の魅力を伝えてきたが、次に、栄湯独特の湯沸かしシステムやオーナーの展望について取り上げたい。

 

栄湯の湯沸かしシステムは現在、太陽光熱とガスボイラーを併用したもので、太陽光熱を利用している銭湯は都内で唯一ここだけである。このシステムを導入したのは先々代のオーナーである清治郎さんの祖父にあたり、当時としても最先端であり、栄湯の屋上に上がると集熱管が張り巡らされており、季節によって変化はするが最大で40度~45度程度のお湯を沸かすことができるという。太陽光熱によりある程度水を温めることで、ガスボイラーで加熱する熱量を削減することができ、ガスボイラーを利用することによる最大の弱点の一部である使用コストの削減にも直結できるという。また、栄湯の水質が良いことは先に述べたが、それゆえに太陽光熱システムは栄湯にとっては最適ともいうことができる。通常、銭湯の配管は長年使用し続けると、配管の中が不純物の堆積によって詰まったり熱効率が低下したりと故障するものなのだが、栄湯においてはこの問題が比較的少ないようで、これは水質の良さが起因しており、太陽光熱システムの集熱管の破損やメンテナンスがほぼ必要ないということがあるようだ。

 

また、システム的展望として、オーナーはガスボイラーに加え、薪ボイラーの導入もできたらいいというようにも述べる。ガスボイラーと薪ボイラーにはそれぞれ良悪があり、ガスは管理が容易であるがシステム上加熱し続けることができないため湯船の中で温度の斑ができてしまいお客様の利用によって温度が下がると再加熱しても元の温度に回復しにくいのに対して、薪は管理が難しいが、狙いの温度に達した後に弱火~とろ火で加熱し続けることが可能で湯船の中で斑ができにくいこととお客様の利用によって温度が下がり再加熱をしても火力が調整できるため元の温度に回復が容易であるということがある。また、ガスは災害時に停止してしまうと、銭湯の災害時の拠点としての利用価値を損なってしまうため、薪であれば配管が無事であれば営業することができるという。

栄湯は地域に密着した銭湯であり、その中で銭湯がどのような役割を担っていくのかという将来性と価値を見出しながらオーナーの梅田夫妻により具現化した銭湯のようにも思える。

 

オーナー夫妻に栄湯の自慢と魅力について質問したところ、清潔感とお客様との関係の2つをあげられた。

清潔感は、銭湯には無くてはならないもので、脱衣場や浴室の全てを綺麗に保つことはもちろんのことながら、臭気や空気の流れに至るまで気を配り、お客様の五感全てに配慮したサービスを提供できることを心がけており、その精神はお客様との関係性にも反映されている。銭湯を利用するお客様は多様で、その中で人間関係として反りが合わないということもあり、相談を受けることがあり、それらに対しては、時間帯をずらすことをアドバイスするなど、如何に快適に入浴していただくかと対応を徹底しているとのこと。

 

最後に、栄湯の町とのかかわりと歴史についてである。

栄湯の周辺は、山谷と呼ばれる日雇い労働者の町として発展しており、利用客層としては一人暮らしの労働者が旧来より多く、日々の疲れをいやし、独り身ゆえに交流を求め楽しむ場としての役割を持ち、今では外国人労働者や地方から来た学生が加わり、以前の山谷としての悪評が変化しつつある。梅田夫人によると、嫁いでくる当初は抵抗感と不安感を抱いていたと話していた。

しかし、旧来の悪評の反面、下町気風の強い土地柄にある銭湯が地域コミュニティと個人を繋ぐ役割を担っており、長く通い続ける常連客が多いようにうかがえる。

 

まとめに…

湯どんぶり栄湯には、当会ではリニューアル後から訪れるようになった銭湯で、以前の姿を知らないのだが、栄湯は今も昔も挑戦し続けるオーナーたちと元来のコミュニティを維持しながらも新たな客層と銭湯の価値を見出す場所であると感じました。

湯を楽しみにする・コミュニティを楽しむ・オーナーと楽しむ。

この3楽はきっと訪れる際に、銭湯文化の魅力を深め、銭湯を楽しむということを手伝うのではないでしょうか?